宅建最短合格の勉強方法
宅建の最短合格できる勉強法って何?
「楽して手っ取り早く宅建に合格したい!」と考えている方向けに、宅建士試験に最短で合格するため勉強方法について詳しく解説します。
裏技、択一式のテクニックではなく、過去問を繰り返し解く王道の勉強法です。
最後までご覧いただくと、どこに注意しなければならないのか、なぜそうするのかが分かり、学習効率が高まりますよ。
基礎知識習得段階のポイント
基礎知識をつける段階の留意点とその理由から説明します
まずは基礎知識を勉強する
法律系国家試験の勉強のスタート時点では、基本的なテキストや予備校の基礎講座などを利用して、その法律の基本的な考え方や基礎知識を勉強することになります。
例えば、多くの法律系資格試験で出題される民法という法律では、馴染みのない専門用語や考え方がたくさん出てきます。
- 心裡留保(しんりりゅうほ)
- 物上代位(ぶつじょうだいい)
- 法定地上権(ほうていちじょうけん)
- 担保責任(たんぽせきにん)
など
そして、民法の択一の問題ではこれらの専門用語を、問題文中で当たり前のように使ってくるため、基礎的な知識がなければ、択一の問題文すら読めないという状況になります。
そのため、択一式の問題を解くためには、まずは基本的なテキストや予備校の基礎講座などで、基礎知識を勉強する必要があります。これが択一式の問題を解いていくための第一段階です。
基礎知識の習得に時間をかけない
ここはとても強調したいところなのですが、択一式試験を得意にするため(ひいては法律系国家試験に素早く合格するため)には、基礎知識の習得に時間をかけてはならないということです。
「基本テキストをすべて勉強してから問題を解こう」「予備校の基礎講座を何度も聞いてから問題を解こう」という人がいますが、このような勉強方法は、非常に効率が悪くなります。
目標は択一式試験の問題が解けるということ(ひいては宅建士試験に合格すること)であって、テキストを理解することそれ自体ではありません。
テキストは1回流し読み、基礎講義は一度聞き流し程度でスピーディに済まして、早く問題を解くという作業に入ることがとても大切です。
法律を深く勉強する必要はない
法律はとっつきにくい、一方で、勉強してみるととても奥が深く、意外とおもしろいものです。
そこでやってしまいがちな勉強の方向のズレとして、法律書を読むなどインプットに力を入れすぎて、問題演習(特に過去問を解く)がおろそかになってしまうということがあります。
いわば、法律マニアとなってしまうのです。実際、予備校の講師などよりも特定の法律や分野について詳しいという人などが時々います。
でも、目標はまず宅建士試験に合格することです。特定の法律科目や分野について詳しくなっても意味がありません。
逆に、特定の分野などに詳しいということは、それだけ手薄な科目が出来上がってしまうということにつながりますので、合格が遠のいてしまいます。
「法律マニア」になるのは宅建に合格した後、仕事や研究で必要になってからで十分です。あるいは、宅建士に合格してから、さらに行政書士、司法書士を目指して勉強すればよいです。
私自身、宅建→司法書士へとステップアップしたうちの一人です。
参考 司法書士の試験対策
問題演習段階のポイント
過去問には出題される知識が詰まっている
宅建士試験のみならず、行政書士・司法書士・司法試験など法律系の択一式試験対策は、過去問を徹底して勉強するというのが王道であり、合格への一番の近道です。
法律自体についてのマニアになってはいけませんが、目指す宅建試験の過去問マニアになりましょう。
問題を解いていて「あ、この問題は〇〇年に出ていた問題と同じことが聞かれているな」とわかるほど過去問マニアになれば、宅建士試験は余裕で合格できます。
法律系国家試験では、過去問には試験で出題される知識が詰まっており、過去問が完璧になれば、合格点、足切り点をクリアーできるように設定されているからです。
過去問でわからないところをテキストで復習する
過去問を解きながら、解説を読んでも「わからない」というところがあれば、基本的なテキストや予備校の基礎講座を聞きなおすと良いでしょう。
1度目はスピーディに読み流した(聞き流した)テキストや講座を、もう一度読み直すのです。これが効果的な復習です。
1度目は理解できなかった箇所でも、「ああ、ここはこういう意味だったのか」とか「講座の先生が、ここが大事って言っていた理由がわかった」といった具合になるはずです。
すべてを読み直す・聞きなおす必要はありません。そんなことをすれば無駄に時間がかかってしまいますからね。
あくまでも、過去問を解きながら「わからない」と感じたところだけを読み直し・聞き直しをすれば十分です。
また、調べたことは過去問集へ書き込み、ノートにまとめるなどをして必要最小限の知識をメモ化しておきましょう。
過去問を10回繰り返す
このようにして、過去問⇔わからないところを調べるという具合で過去問集を1回完了させます。
1度目の過去問研究で必要な知識と理解は本1冊(+ノートなど)にまとまっているはずです。
わからないところをしっかりと調べながら学習し終えた過去問集は、あなたにとって必要な知識が整理された「合格へのバイブル」となった過言ではありません。
わからなかったところを理解したら、理論上は100点取れるということです。
この合格への必要な知識が詰まったバイブルを何度も繰り返しましょう。回数としては、最終的には10回程度となるでしょう。
すべての過去問を10回ではありません。自身が分からなかった論点を10回です。
知識を覚えるために3~4回、直前期に知識を整理するために、さらに3~4回程度繰り返すことで過去問が完璧に頭に入ります。(いわば「過去問マニア」になります)
この段階になれば宅建レベルの択一式試験の合格はほぼ間違いないと言えます。
参考 宅建・過去問の使い方
まとめ
択一で合格点を取るための勉強方法のまとめ
以上、述べてきた択一式の勉強方法のやり方をまとめると次のようになります。
- テキスト、予備校の基礎講座等で最低限の知識を学ぶ(スピーディに!)
- 過去問演習をやってみる
- わからないところが出てきたら、その論点を復習する(再インプット)
- ②と③を繰り返して知識を定着させる(過去問10回転)
ここまで読むと、「択一式の裏技的なテクニックとかはないのか」「もっと楽して効率よく勉強できる方法があるんじゃないか」と思うかもしれません。
しかし、基本的に法律系の国家試験で、択一で特別なテクニックなどはないのです。
仮にあったとしても、一過性の手法で再現性が非常に低い勉強法の可能性の方が高いです。
択一はコツコツと勉強をするということが合格の唯一の正統派テクニックであり、最短合格方法なのです。
宅建といえども、法律の専門家が、ちゃんとした専門知識を身につけたというわけではなくて、(何かよくわからない)「テクニックで合格しました」、では、とても専門的な仕事はできないですよね。
ただし、方向性として、つい「基本知識を完璧にしてから」などといった形で勉強の方向性がズレてしまう人がいます。
勉強の方向性がズレてしまうといくら勉強しても合格できなくなります。この点だけを気をつけてコツコツと過去問研究を続けるということが合格のテクニックです。
参考 宅建士の難易度
正直なところ、宅建の難易度はそこまで高くありません。裏技的な勉強法を探していたり、特別なテクニックがないかを調べたり、考えたりする時間を、過去問演習と再インプットにあてた方が手っ取り早く合格できるのです。