宅建士の難易度

宅建士の難易度

 

宅建士の難易度って、どれくらい?


 

宅建士(宅地建物取引士)受けてみようかなと考えたとき、「俺(私)でも宅建士受かるのかなあ」と気になりますよね。

 

この記事では、宅建士の難易度は一体どれくらいなのか、合格率、合格に必要な総勉強時間など、さまざまな角度から解説します。

 

宅建士の合格率

 

宅建の合格率は約15%

 

 

宅建士は毎年約20万人が受験して3万人前後が合格しています。合格率は15%前後です。


 

宅建士試験の合格率の推移を見てみましょう。

 

申込者数 受験者数 合格者数 合格率 合格点
2020年度(R2/12月) 55,121 35,261 4,610 13.1% 36点
2020年度(R2/10月) 204,163 168,989 29,728 17.6% 38点
2019年度(R1) 276,019 220,797 37,481 17.0% 35点
2018年度(H30) 265,444 213,993 33,360 15.6% 37点
2017年度(H29) 258,511 209,354 32,644 15.6% 35点
2016年度(H28) 245,742 198,463 30,589 15.4% 35点
2015年度(H27) 243,199 194,926 30,028 15.4% 31点
2014年度(H26) 238,343 192,029 33,670 17.5% 32点
2013年度(H25) 234,586 186,304 28,470 15.3% 33点
2012年度(H24) 236,350 191,169 32,000 16.7% 33点
2011年度(H23) 231,596 188,572 30,391 16.1% 36点
2010年度(H22) 228,214 186,542 28,311 15.2% 36点
2009年度(H21) 241,944 195,515 34,918 17.9% 33点

 

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験

 

宅建士試験は50点の試験で合格基準点35点(7割)ですが、年度によって合格基準点が異なります。これは、合格率が15%前後に保つように調整されるためなのです。

 

 

宅建の実際の合格率

 

宅建士の試験の合格率15%と聞くと、狭き門と感じる方がいるかもしれませんね。でも、実際にはもう少し合格率は高いと考えて大丈夫です。

 

それは、本気で合格を目指していない「お試し受験組」がいるからです。

 

  • 直前に試験勉強をはじめたので、最後まで勉強できなかった
  • 会社から受けろと言われているから仕方なく毎年受けている

 

などの理由で、合格レベルに明らかに達していないけど受験はするという受験者層がいます。

 

つまり、出題範囲を最後までしっかり勉強をして受験する方だけをみると、もう少し高く、実質的な合格率は20~25%といわれています。

 

宅建に合格しよう!と真面目に勉強をしている方にとっては、4人に1人は合格できる試験なのです。

 

 

宅建士合格するまでに必要な勉強期間

 

一般的に、法律初学者であれば、6ケ月間程度、勉強する方が最も多いとされています。


 

宅建合格まで6ケ月が目安

勉強期間 受験者層 開始時期 総勉強時間
1年 じっくり型 10月頃 500時間
6ケ月 最も多い層 4月頃 300時間
3ケ月 短期集中型 7月頃 300時間
1ケ月 法律試験受験生 8月頃 100時間

 

「絶対に宅建に合格したい!でも仕事もあるから、無理なく勉強したい」という方は、1年間コツコツ勉強して受験します。中には、3ケ月程度の勉強で合格する短期集中型もいますが、合格率は低い傾向にあります。

 

また、極まれに1ケ月で合格した!という方もみかけるかもしれませんが、法学部出身であったり、司法試験や司法書士試験受験生などで必要科目の半分程度は学習済みの方がほとんどです。

 

 

宅建士合格に必要な勉強時間は100~300時間

 

宅建合格までの総勉強時間は、300時間が目安です


 

宅建士の資格合格に必要な勉強時間は、人によって異なりますが、一つの目安は300時間程度と言われています。

 

宅建業法や法令上の制限という分野の暗記量、権利関係を理解するまでの時間などを考えると、どんなに少なくとも100時間は確保したいところです。

 

これまで全く法律の勉強をしたことがないという方は、総勉強時間で500時間くらい必要になるかもしれません。

 

 

近年の宅建士の難易度の傾向

 

50点中35点が合格の目安

宅建試験は合格率を15%前後に保つため合格基準点は毎年変動しますが、50点中35点が一つの合格目安となります。

 

ここ最近の宅建士試験の合格点の推移を見ると、平成27年は(50点中)31点と6割で合格できた年もあれば、平成30年のように37点となった年もあります。

 

多少の難易度、合格基準点の変化はあっても、試験直前にはどの年度の問題を解いても7割である35点は切らない実力がついていることは必要です。

 

そのためには、出題数が多い宅建業法(20点)と権利関係(14点)をガッツリと勉強していかにこの2分野で失点しないかが大切です。

 

 

2020年以降は改正民法が出題

権利関係に関して、2020年から大改正された民法が施行されます。「配偶者居住権」など宅建士の業務にも大きく関わる改正が含まれています。

 

そのため、2020年以降に宅建士を受験する場合には試験に法改正の影響が出てきます。

 

これから勉強を始める場合には、権利関係だけは最新のテキストを買ったり、予備校の講座が改正法に対応してるかどうかを確認して勉強してください。

 

せっかく一生懸命勉強していても、「新しい法律では間違いです」では悲しすぎますからね(涙)

 

 

一番難易度が高いのは権利関係

宅建試験の分野で難易度が一番高いのが権利関係といわれる分野です。

 

権利関係とは、民法や借地借家法、不動産登記法など「いかにも法律!」という出題がされる分野で、独特な思考を必要とされます。

 

この権利関係については、思考が独特の上にちゃんと理解をした上で記憶もしなければならないためとても時間がかかります。

 

権利関係について、独特な思考を理解して、記憶するというのは数学の勉強に近いかも知れません。

 

数学って(もともと得意な人は得意ですけれど)、ほとんどの人が時間をかけて理解して、何度も何度も問題を解いてやっとできるようになりますよね。利関係は数学の勉強に似ている面があります。

 

民法等の独特の思考を理解して、何度も過去問を繰り返して、「思考を理解と記憶する」という。

 

いずれにしても、権利関係は難しい上に、宅建士合格のために権利関係を避けることはできないので、権利関係だけは早めに勉強を始める、あるいはじっくり時間をかけて勉強する計画するようにしましょう。

 

 

宅建士の難易度と学歴

 

宅建士の資格取得に学歴は関係ない


 

宅建士を受験される上で、「俺(私)は学歴がないから・・」と思う人もいるかもしれません。ですが、はっきり言って宅建士に合格するためにこれまでの学歴は関係ありません。

 

宅建士の合格体験記をみると学歴が関係ないということが実感できると思います。中卒、高卒の方であってもたくさん合格していますし、一方で上位大学卒の方でも舐めていると落ちています。

 

気になる方は、資格試験関係の予備校(TACやLECなどが全国展開をしていて有名です)に足を運べば合格体験記が無料でみれるので、ぜひ一度ご覧ください。

 

学歴に比例して宅建士に短期で合格する傾向はありますが、今から本気になって勉強すればこれまでの学歴は関係がありません。

 

 

先にも書きましたが、法学部(卒)等の人は1ヶ月程度の超短期で合格しています。

 

しかし、これは、大学受験までで勉強の習慣とやり方が身についていること、権利関係は法学部の授業で学習済みであることなどが理由と考えられます。

 

「短期」合格のためには、高学歴者が有利であることは客観的な事実として受け止めた上で、自分自身のペースで合格を目指せばよいというだけです!!

 

 

宅建士の難易度のまとめ

 

宅建士の難易度についてまとめてみたいと思います。

 

  • 実質の合格率は20~25%。4人に1人は合格できる試験
  • 6ケ月・総勉強時間300時間が一つの目安
  • 合格点は50点中35点(7割)が基準

 

 

結局、資格の難易度は自分の取り組み方で決まる


 

最後に精神論的なことになりますが、宅建士試験の難易度は、自分で決めることが出来ると筆者は考えています。

 

たとえ、高学歴の人でも宅建業法などメイン科目をしっかりと勉強しなければ合格することができません。

 

逆に、学歴が低くても、コツコツと計画的に勉強を続けさえすれば、40点以上の高得点で余裕で合格できます。

 

つまりは、宅建士の難易度を甘く見てしまい勉強しない人にとっては難しく、コツコツ勉強できる人には易しい試験ということになります。宅建士試験はコツコツ努力をしていけば必ず実を結びます、がんばってください!!