宅建業法の勉強方法とコツ

宅建士独学受験・宅建業法の勉強方法とコツ

 

宅建業法、どうやったら効率よく勉強できるのか?


 

まず、宅建士試験における「宅建業法」の概要を把握し、学習するポイントを意識しながら勉強することで、とても効率よく勉強することができます。

 

この記事では、宅建士試験の「宅建業法」について法律の目的やポイントを説明した上で、学習のポイントをわかりやすく解説します。

 

 

宅建業法とは?

宅建業法は、宅地建物取引士(宅建士)に直接関係する法律で、最も重要な科目です。

 

買主・借主が契約前に伝えるべき重要事項の説明、契約書(37条書面)など、実務に直結する知識を問う問題が出題されます。

 

比較的得点しやすい科目なので、ここで点数を稼いでおきましょう。

 

科目

主な学習分野 出題数
宅建業法

免許制度
宅地建物取引主任者制度
業務上の規制

20問
権利関係

民法
不動産登記法
借地借家法
建物区分所有法

14問
法令上の制限

都市計画法
建築基準法
土地区画整理法
宅地造成等規制法

8問
税その他 税法鑑定評価基準

地価公示
住宅金融支援機構
景品表示法

8問

 

 

宅建業法分野の特徴

 

宅建業法は、消費者を守ることを目的に作られている法律なんですよ


 

宅建業法の目的はお客様に損害を被らせないこと

まず宅建業法の存在意味から確認していきます。

 

宅建業法は不動産取引において、お客さんに損害を生じさせないようにすることを目的に作られている法律です。

 

不動産取引には多額のお金が動くとともに、不動産業者の方が一般の顧客よりも情報をよく知っています。

 

そのため、不動産取引野放しにしておくと、場合によっては悪質な業者によって不公正な取引が行われて顧客に損失が生じることも考えられます。

 

そこで、不動産業(宅建業)を免許制として、不当な業者を排除します。

 

そして適正不動産業者として免許を得るとともに役所による監督の手続きなどを定めているのが宅建業法ということになります。

 

 

適正業者を確認するための3つの規制

宅建業法では、開業時の規制、業務上の規制、罰則(監督処分も含む)の3パターンの仕組みで適正な業者であることの確認をしようとしています。

 

例えば、開業時の規制の一つとして、欠格事由(免許がもらえない理由)を定めていて、暴力団関係者や、一定の前科がある場合などには免許を得られない仕組みになっています。

 

また、業務上の規制としては、一定の業務(重要事項の説明など)は宅地建物取引士が必ずすることなどが決められています。

 

さらに宅建業法に違反した業者には業務停止や免許取り消しといった罰則があります。宅建業法は、まずこのような法律の目的と規制の全体の仕組みを理解することが大切です。

 

 

 

宅建業法学習のポイント

さて、宅建業法の仕組みを見たら、次は宅建業法を試験科目として学習する際のポイントを見ていきます。

 

絶対に苦手科目にしちゃダメ!

目標点は18点!
宅建業法は最初に書いたように50問中20問も出題されます。
そして、例年の合格点が35点前後ですので、宅建業法で点数を取れないと合格が厳しくなるというのは容易に想像がつくと思います。

 

理想的な点数は宅建業法で18点(9割)です。

 

宅建業法で18点、権利関係で10点~12点程度、残りを法令上の制限とその他の分野で取得して合格点(35点前後)を取るというのが一般的な合格スタイルです。

 

宅建業法では9割を目標に勉強をしてください!

 

宅建業法はわかりやすいと感じるところから学習をスタート!
宅建業法の勉強はわかりやすいところから始めるというのが学習のコツです。

 

権利関係などは論理的な体系(システム)が成り立っているので、基本的に前から学習をして、何度も何度も繰り返して学習していくうちに理解ができていくという科目です。

 

しかし、宅建業法は論理的に前後の制度がつながっているというわけではないので、わかりやすいと感じるところから勉強をすることでスムーズに学習を進めていくことができます。

 

例えば、宅建業法では後半に書かれている「クーリングオフ」とか重要事項の説明などから学習したほうが楽しく、イメージが持てるでしょう。

 

わかりやすいと感じるところから勉強するというのが宅建業法を苦手としないコツです。

 

前からはじめると宅建業法がキライになるかも・・
宅建業法が嫌いになってしまうケースの一例として、宅建業法を最初から勉強してしまったため嫌いになったというケースがあります。

 

宅建業法は最初に「宅建業」の定義から勉強します。

 

宅建業とは、「宅地建物の取引を業とするもの」という定義から始まります。

 

次にここでいう「取引」には自ら当事者となって売買・交換することは含むが、賃貸することは含まない、一方で代理または媒介の場合には売買・交換に加えて賃貸も含む・・といった具合で、とても抽象的な事からスタートします。

 

この抽象度の高さから「宅建業法はイヤだ!」とおもってしまい、苦手位意識を持つ人もいます。

 

宅建業法は自分自身がわかりやすいと感じるところから気楽に始めましょう♪

 

 

頻出ポイントは正確に&深く学習

 

正確に学習~35条書面を例に

本試験では、宅建業法は宅建士の仕事に直接関わってくる法律なので、正確に理解をしているか、宅建業法のポイントをナナメから聞いてくるという出題が多いという傾向があります。

 

例えば、宅建業法35条で定めている重要事項説明書という書面について、選択肢で

 

「宅建士は重要事項の説明をする義務がある」

 

という選択肢があったとすれば、正誤は×ということになります。
重要事項説明の義務が課されているのは宅建業者であり、宅建士ではないためです。(宅建業法第35条)

 

このように正確に知識を押さえていなければ引っかかってしまう出題、知識をナナメから聞いてくる出題というのが少なくありません。

 

 

深く学習~欠格事由を例に

次に、宅建業法の問題を解くためには他の法律の知識も含めて、深めに学習をしておく必要もあります。

 

次の過去問を見てみましょう。

 

「未成年者は、成年者と同一の行為能力を有していたとしても、成年に達するまでは取引士の登録を受けることができない。」(平成23年第28問)

 

これは×の選択肢です。
未成年者であっても、成年者と同一の行為能力を有していれば、登録を受けることができます。

 

選択肢の(もって回ったような)書きぶりから、「なんとなく×じゃないかな・・」と感じるかもしれない選択肢ですが、この選択肢を具体的に見てみましょう。

 

 

「未成年であっても、成年と同一の行為能力を有している」とは?

 

この選択肢が言っている、「未成年であっても、成年と同一の行為能力を有している」とはどういう意味でしょうか?

 

これは未成年であっても、頭がいいとか、営業スキルが高いとかそういう意味ではありません。

 

民法のルールから「未成年であっても、成年と同一の行為能力を有している」とは
  • パターン1:婚姻をしている(民法第753条・成年擬制)
  • パターン2:不動産業について、親など法定代理人から営業の許可を得ている(民法第6条)

この2パターンを指します。

 

つまり、先に挙げた選択肢の意味を理解するためには宅建業法だけではなく、民法も学習していることが必要ということになります。

 

宅建業法では他の法律を参考にしないと正確に理解することができない制度もあります。
(例えば、「供託」というお金をあずける制度についても多少の制度理解が必要になってきます)

 

そのため、宅建業法を勉強していて「どういう意味だろう??」と思ったら、テキストやインターネットなどで調べて深く学習するということも必要になってきます。

 

なお、予備校の講座ではこういった関連知識も含めて解説をしてくれます。

 

 

宅建業法学習のまとめ

 

宅建士試験では、宅建業法から4割(50問中20問)出題されます。必ずマスターしましょう


 

宅建業法学習のポイントをまとめます。

 

  1. 18点(9割)を目指す!!
  2. わかりやすいところから学習を始める
  3. 知識は正確に、また、必要に応じて他の法律なども参照して深く学習する

 

この3点が特に重要です。

 

宅建士試験は、宅建業法と権利関係の2分野がマスターできれば、ほぼ合格と言って過言ではありません。

 

宅建士としてバリバリ活躍するために、権利関係とともに、宅建業法はしっかりと学習をして高得点をゲットしてください!!